業務改善助成金とは? 医療・介護施設の賃上げと設備投資を後押しする制度
医療・介護施設向け 補助金情報 / 2026年
業務改善助成金とは?
医療・介護施設の賃上げと設備投資を後押しする制度
2026年掲載|厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」をもとに解説
はじめに ─ 賃上げと設備投資、両方の負担をどうするか
医療・介護施設では、人手不足を背景に賃金水準の見直しが避けられない状況が続いています。一方で、賃上げの原資を確保しながら、業務効率化のための設備投資にも踏み切るのは、簡単なことではありません。
「業務改善助成金」は、この2つの課題を同時に後押しする制度です。事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げることを条件に、生産性向上につながる設備投資の費用の一部が助成されます。
制度の概要
| 実施機関 | 厚生労働省(申請窓口は事業場を管轄する都道府県労働局) |
|---|---|
| 対象事業者 | 中小企業・小規模事業者(大企業と密接な関係を有する、いわゆる「みなし大企業」を除く)で、事業場内最低賃金が令和8年度の地域別最低賃金未満であること |
| 賃金要件 | 事業場内最低賃金を50円以上引き上げること(コースは50円・70円・90円の3区分) |
| 助成率 | 事業場内最低賃金が1,050円未満の場合は4/5、1,050円以上の場合は3/4 |
| 助成上限額 | 引き上げる労働者数・コースに応じて最大600万円(90円コース・10人以上の場合) |
| 申請期間 | 令和8年9月1日〜(申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日まで) |
| 事業完了期限 | 交付決定年度の1月31日 |
出典:厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」。制度の詳細・最新情報は必ず厚生労働省公式サイトでご確認ください。
対象となる設備投資の例
助成の対象となるのは、事業場における「生産性向上に資する設備投資等」です。厚生労働省が示す経費区分と例は次のとおりです。
※ 自動車(特殊用途自動車を除く)やパソコン等は、原則として対象外です。ただし「物価高騰等要件」に該当する特例事業者は、パソコン等(新規導入に限る)も対象になる場合があります。
医療・福祉分野での導入事例
厚生労働省の「業務改善助成金業種別事例集(医療・福祉編)」などで紹介されている、実際の活用事例をご紹介します。
出典:厚生労働省「業務改善助成金業種別事例集(医療・福祉編)」/長野労働局公表資料。事例は各労働局・年度により異なります。
助成額の計算イメージ
助成される金額は、「設備投資等にかかった費用×助成率」と「コース・人数に応じた助成上限額」を比較し、いずれか低い方になります。
・設備投資費用600万円 × 助成率4/5 = 480万円
・90円コース・8人の助成上限額 = 450万円
→ 450万円 < 480万円のため、支給額は450万円になります。
申請にあたっての留意点
交付決定前に設備を導入してしまうと、原則として助成の対象になりません。必ず交付決定を受けてから設備投資・賃金引き上げを実施する必要があります。
工場や事務所など、労働者がいる事業場ごとに個別に申請します。同一事業所からの申請は年度内1回までです。
予算の範囲内で交付するため、申請期間内であっても募集が早期に終了することがあります。詳細な要件・最新情報は都道府県労働局または厚生労働省公式サイトでご確認ください。
最後に
賃上げと設備投資は、どちらも医療・介護施設にとって避けて通れないテーマでありながら、同時に進めるのはハードルが高いというのが実情ではないでしょうか。業務改善助成金は、その両方を後押ししてくれる数少ない制度のひとつです。
対象となる設備投資の範囲は「生産性向上に資するもの」と幅広く定義されており、送迎車両から清掃設備、システム導入まで、施設ごとの課題に応じた活用ができます。9月の受付開始に向けて、今のうちから自施設の賃金水準と、導入したい設備を整理しておくとスムーズです。
まとめ
Summary
- 業務改善助成金は、事業場内最低賃金の引上げと設備投資をセットで支援する厚労省の制度
- 助成率は4/5または3/4、助成上限額は最大600万円
- 令和8年度の申請受付は令和8年9月1日から開始予定
- 医療・福祉分野では、福祉車両・電子薬歴システムなどの導入事例がある
- 交付決定前の設備導入は対象外。事前の準備と計画が重要
当社は補助金申請のサポートは行っておりません。詳細・最新情報は都道府県労働局または厚生労働省公式サイトでご確認ください。
※記事内の事例画像はイメージです(生成AIによる画像を使用しています)。